インタビュー

interview17 ベトナムにてサロン経営・美容学校講師として活動するネイリスト

ベトナム・ホーチミンにてネイルサロンを営む傍ら、現地の職業訓練校で講師も務める小嶋宏弥さんにお話を伺いました。
ホーチミン在住17年という大変長いグローバルキャリアをお持ちの小嶋さん。
海外やネイルに興味を持ちだしたお話から伺いました。


▼ネイリストになられたきっかけを教えて下さい。
19歳の頃にアメリカに住んでいた時にネイルサロンというものを知り、刺激を受けました。
当時は日本ではネイルがまだ浸透しておらず、帰国後は旅行会社に就職。
26歳の時にやっぱりネイルを学びたいと思い、仕事をしながらネイルスクールに通い、週末にサロンのお手伝いをする形でネイリストとしての道をスタートさせました。


▼ベトナムに渡られたきっかけは?
ベトナムで旅行業を起業することになりホーチミンに移住。
今から20年ほど前のベトナムは日本人や住んでいる外国人も少なく、ネイル事業は考えられない状況でした。
ネイルの仕事はせず、旅行業の立ち上げと会社経営のみに集中して過ごしていました。
そのうちに事業も軌道に乗り、落ち着いてきたので、旅行業と二束のわらじでネイリストとしての仕事をスタートしました。
カナダ人経営のエステサロン内で小さく自分のサロンを開き、エステのお客様や在住日本人を担当させて頂いていました。
ネイルのお客様が増えるうちに果たして自分の技術は大丈夫なのか?と不安になり、一旦日本へ帰国して技術を学び直すことにしました。


▼日本にご帰国されてどうされましたか?
とにかく知識に飢えていたので、スクールに通い直しました。
ネイリスト検定はもちろん、ジェル検定も取得し、エアブラシ・ジェル・アクリルなど得意な先生の所やスクールを分けてスクール漬けの日々でした。
とにかく色んな技術や知識を習得したくて夢中でした。
ネイルサロンでも曜日ごとに分けてアルバイトをし、サロンワークも学ばせてもらいました。
4年間、日本でネイル漬けの時間を過ごし、ホーチミンへ戻り、戻ってからはネイリスト一本で過ごしています。


▼戻られてからはどう過ごされましたか?
まずは自宅サロンからスタートし、その後テナントを借りたり、ブースレントなど色々な形でサロンを経営してきました。
戻った2012年はジェルネイルがまだベトナムに浸透しておらず、他と差別化をさせる為にジェルネイルができるサロンとして営業していました。
材料は全て日本から仕入れ、現地スタッフを雇用し、日本の技術教育をしました。
ベトナムのローカルサロンはジェルネイル単価1000~2000円程が平均です。
現在もかごの中にポリッシュを入れて歩いて商売をしている「青空ネイルサロン」があるのでその場合は200~300円ほど。
私のサロンはローカルの感覚だと高価ですが、日系サロンという事も含めて最低5000円にはしていました。
色々な形で経営していましたが最終的には、自分一人でプライベートサロンをやるという所に落ち着き、現在は「フィルインに特化したサロン」として自宅で仕事をしています。
8年間ホーチミンでネイルサロンを経営し、私は経営者ではなく、プレイヤーでありたかったんですよね。
自分がお客様を1から10まできちんとできる事が今はとても幸せです。


▼講師のお仕事はいかがですか?
プライベートサロンに移行したタイミングでお話を頂き、日系の職業訓練校の講師の仕事を週2~3回ほどしています。
ベトナム人は手先がとっても器用で、甘皮ケアやニッパー使いがとても上手。
ネイリストという職業がぴったりな人種だと思います。
技術は完璧ですが私が気になっているのは「マナー」の部分。
あぐらをかいていたりお菓子を食べながらだったり授業態度が気になる事が多いです。
今後日本や日系サロンで働く場合、不利になることもあるのでマナーの部分を少しづつ教えています。
ローカルの生徒さんだけどせっかく日系の学校に学びにきているなら、ローカルサロンのネイリストとも差をつけてほしいと思います。
教育内容はJNAの教本に基づいて行っています。
教える時はベトナム語と英語。そして日本語。
生徒さんは日本で働いた事があったり、日本人の旦那さんがいる方もいて日本語が話せる方が多いです。
そもそも現地の感覚だと「お金を払って技術を学ぶ」という概念がなく、スクールに来ている方はお金に余裕のある生徒さんが多いです。
金銭的に余裕のない場合は学ぶ前にサロンで働き、働きながら学ぶ。
まだまだ貧富の差は深刻です。


▼ベトナムのネイルはどうですか?
甘皮ケアからして日本と違います。
ベトナム人はえぐるくらい甘皮をカットするので、日本人ネイリストの施術が合わない事もあります。
暑い国だからかアートも派手な色、はっきりしたアートが好まれます。
私の今のサロンはほぼ日本人の方で年齢が高い方が多いので、シンプルなデザインが多いですね。


▼今後の目標はありますか?
私は一生プレイヤーでいたいので、老眼鏡をかけてでもおばあちゃんになってもずっとネイリストを続けていきたいです。
座ってできる仕事ですし、海外では高齢のネイリストも沢山いますからね。
好きな事をして好きな場所に住めるって幸せな事ですよね。
ベトナムは生活コストも低く、気候が最高なので住みやすいです。
成長している国なので、これからもどんどん面白くなっていくと思いますよ!


ネイルサロン 美沙那(ビシャナ)オーナー 

小嶋宏弥さん
Instagram :https://www.instagram.com/bishana_vietnam

ホームページ:http://www.bishana.com/

 


【インタビュアーより】

成長前の時代からベトナムに長く住み、様々な経験やキャリアを積まれた事もあり温かく素敵な女性でした。

日本に帰国して技術を学び直されたり、一生ネイリスト。と公言されるプロフェッショナルなネイルアーティスト。

今後もネイル教育や現場でのご活躍が楽しみです!


interviewer

久賀田有紀 Yuki Kugata
一般社団法人 海外ネイル協会 代表理事・ネイルサロンオーナー
教員在職中にネイルスクールに通い2009年ネイリストに転職。
2015年より1年間パリにてネイリストとして活動

 

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