インタビュー

interview16 メキシコシティで個人サロンを営むネイリスト

メキシコの首都、メキシコシティにて個人サロンを経営する武次美咲さんにお話を伺いました。

海外に行くことを目標に、日本でネイリストとして1年勤めたあとにメキシコに渡られた美咲さん。

現地でのサロンワークや生活も含めてお話頂きました。


▼ネイリストになったきっかけを教えて下さい。
日本では4年制の大学に通っていました。
シドニーに留学した際、知り合いの女性がネイルサロンで施術をした話を聞き、元々セルフネイルが好きだったので私も海外でネイルができるのでは?と思ったことがきっかけです。
その後大学と並行しネイルスクールにダブルスクールとして通いましたが、結局エアライン業界に就職しました。
日系エアラインの地上職で勤めていましたが、このままではいつになっても海外に行けないと思い、すぐ退職しました。
ネイリストとして海外に行くことを目標に、休学していたネイルスクールに復学し、2年間通い、サロンに就職しました。

この時点ではどこの国に行くかも決めていなかったのですが。「1年働いたら海外に行きます。」とオーナーに伝えて入社しました。


▼海外へ渡航されたきっかけは?
サロンに就職して3か月目くらい時にスクール時代の友人から「メキシコのカンクンで日系美容室を作る話があるけど、ネイリストとして行かない?」と誘われました。
カンクンには1年前に旅行で行っていた事もありイメージも沸きやすく、サポートあって海外に行けるなんて良い話!と即決し、海外に行く目標が立ちました。
国のこだわりはなかったのですが、日本人ネイリストが少ない場所がいいなと思っていました。
アメリカやワーホリの方が多いエリアだと埋もれてしまうし、日本人ネイリストに来てもらえてよかった、と思ってもらえる場所がよかったのでメキシコは条件にぴったりでした。
長期的に海外に住んだことも働いたこともなかったので、実際海外に出たら心が折れるかもしれないし、とりあえず一度出てみよう!と思い決断しました。
ちょうどサロンから入社した1年後に退職し、昨年の1月にカンクンに飛び立ちました。


▼カンクンでのサロンワークはいかがでしたか?
カンクンというと「リゾート地」や「ホテル内サロン」をイメージされるかもしれませんが、私が働いていたサロンはダウンタウンにあり、ローカルエリアにありました。カンクンには日本人が経営している美容室・ネイルサロンがなかったので、住んでいる日本人をターゲットに営業していました。
美容室の一角で私一人で対応し、サロン側とのやり方が合わなくて8ヶ月で退職しました。


▼カンクンのサロンを退職された後はどうされましたか?
正直、この時は心が折れてしまってメキシコが嫌になり、日本に帰りたいとも考えていました。
一つの国に1年はいようと決めていた事もあり、よくよく考えると、日本でいうと沖縄しか知らず都会を知らずに去るのはもったいないかなと思いカンクンから首都のメキシコシティへ引っ越しました。
ビザは就労で取っており、会社から出してもらっているものではなく、私個人で取得できているものなのでビザに縛られず動くことができました。

※メキシコ就労ビザについて
●日本国籍所持者は180日以内の短期滞在の場合は申請不要。
●就労ビザ(FM3)を取得する場合は、NUT番号を取得し、ビザ申請を行う。
●更新初回は1年、2回目は2年、3回更新すると永住権取得(2020年5月現在)


▼メキシコシティに行かれてどうされましたか?
仕事を決めず昨年9月に引っ越しました。
カンクンのサロンのお客様からメキシコシティに長く住む日本人の方を紹介してもらい、その方から「日本人のネイリストが来たよ」と紹介してもらい、在住日本人への出張ネイルからスタートしました。
その後昨年11月よりメキシコ人オーナーが営むまつげエクステのお店の一角を間借りして個人サロンをスタートさせました。
オーナーが日本語は話せるので在住日本人のお客様が多く、今はほぼ紹介で利用して頂いています。
今年1月で丸1年なのでこのタイミングで帰国しようとも考えていましたが、2ヶ月で収入が安定し、引き続きここで頑張りたいなと思っている所です。
メキシコシティは色々な仕事をしている人が多いので過ごしやすいですね。


▼ご自身のサロンはいかがですか?
自分の好きな色やスタイルでお客様にサービスできる事はとても楽しいです。
お客様の層は現在日本人9割、ローカルの方1割です。
メキシコシティには日本人ネイリストが少ないこともあり、有難い事にご紹介だけで来て頂いています。
掲示板やInstagramで宣伝もしていないので、そろそろ告知をしようかなと考えています。
商材や機械は全て日本のものを使っています。
商材は日本に帰国した際に買いつけたり、母親に持ってきてもらっていて、現地で購入しているものはエタノールのみです。
メキシコの問屋には私のネイルデザインで使えるものはあまりないかもしれません・・。
サロンの価格はローカルでく安い所の5倍くらいの値段設定をしています。
といっても、ローカルはワンカラー¥600程で、現地の物価とのバランスが難しいなと思っている所です。


▼生活はいかがですか?
メキシコシティでの生活はとても楽しいです。
現地採用で働いている日本人の方も多く、日本にいると中々出会えない人との繋がりもでき、プライベートがより充実します。
サロンワークやプライベートでも日本語を使う事が多いのですが、公用語はスペイン語です。
英語はほぼ通じません。
渡航前私は「Hola」か「Gracias」くらいしか知らなく、今もそこまで話せる訳ではありませんがなんとかなっています。
メキシコ人はとてもお喋りなのでスペイン語ですごい勢いで話してくるのですが、優しいのでゆっくり話してくれたり、下手な言葉でも理解してくれるので語学がそこまで自信がなくても住める国だと思います。
だだ水道・ガスなどのインフラ関係が安定していないので、何か問い合わせする際は必要ですが、周りの方のサポートもあるので今のところは問題ないです。
旅行でカリブ海・キューバなど南米に行きやすい事もメリットです。


▼今後はどう考えられていますか?
働く場所や仕事、ビザもあるので今のところは引き続きメキシコで頑張るつもりです。
日本に戻っても同じ日常が待っている気がするので、今の方が私には合っていて楽しいです。
将来どうなるかは分かりませんが、メキシコでこんなネイリストがいた。と後々思ってもらえるくらい何かを残せるようにこの国で頑張りたいですね。


武次美咲さん

Misaki Taketsugu

Instagram https://instagram.com/lazynailartist

 

 


インタビュアーより

とても明るくてお話上手な素敵なネイリストさんでした。

どの場所にいても周りの人から慕われて楽しく過ごされている様子がとても良く伝わりました。

今後のメキシコからの発信も楽しみにしております!


interviewer

久賀田有紀 Yuki Kugata
一般社団法人 海外ネイル協会 代表理事・ネイルサロンオーナー
教員在職中にネイルスクールに通い2009年ネイリストに転職。
2015年より1年間パリにてネイリストとして活動。


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