インタビュー

【interview24】カナダでコンペティターネイリストも育てるネイルサロン経営者

カナダ・バンクーバーでネイルサロンglam nailを経営する松井桂子さんにお話しを伺いました。

13年前にバンクーバー初の日本人経営サロンとしてオープン。

ご自身も海外コンテストにチャレンジしながら、スタッフのコンペ出場もサポートする桂子さん。

カナダで独立したきっかけやサロン作り、コンテストへの思いをお聞きしました。

カナダはワーキングホリデービザも適応されるので「海外で技術力を試したい!」というネイリストさんは是非参考にしてみてください!


▼渡航されるまでのキャリアヒストリーを教えてください。

元々海外に興味があり、英語を使った仕事に就きたかったので大学で英米語を専攻していました。

大学卒業後、イギリスに留学し帰国後は花博でコンパニオンや、英会話塾・予備校講師として仕事をしていました。

その後、カナダに渡米し現地の日系旅行会社で6年ほど勤めました。


▼ネイルとの出会いは?

友人がリフレクソロジーの学校に通っていて実技モデルとして学校に行った際、日本からネイリストとして渡航している人と話すきっかけがあり、ネイリストの仕事を知りました。

元々モノ作りが好きで、アートを活かす仕事をしたいなと漠然と考えていたので、これだ!と思い、仕事をしながら現地の美容スクールに通いました。

州から認定をもらい、早速デパートの中に入っているネイルサロンにネイリストとして転職しました。


▼独立されたきっかけは?

その後すぐに妊娠が発覚し、経験を積む前に産休に入ることになりました。

出産後は自宅サロンをスタート。

当時、バンクーバーでは自宅で人が出入りするビジネスができなかったのでモーバイルに移り出張サロンとして仕事を始めました。

口コミでどんどんお客様が増え、夫から「お店をやれば?」と提案されたことをきっかけに1年後、バンクーバーでお店持つことを決めました。

個人サロンでは自分一人での仕事なので、自分が病気になったら終わり、プライべートとの切り分けが難しかった事も不安だったので結果的によかったです。

当時、バンクーバーには流れ作業のようなネイルサロンしかなく、私は日本のテイストを貫いていたので、オープン時から話題になりました。


▼日本式のお店作りはどのようにされましたか?

日本からネイル教材、スタイル本を取り寄せ、常に情報収集をしています。

ワーキングホリデービザで渡航するネイリストへ求人も出し、現地スタッフも含めてオープン時は5名雇用しました。

中国系のお客様が起爆剤になり、コネクションや口コミでどんどん来て下さるお客様の層は広がりました。

当時はデコ電が流行っていたこともあり、多くの受注があり一時は売上の30パーセントを占めるほどでした。


▼コンテスト出場のきっかけは?

日本から来たスタッフに「今度ラスベガスでのコンテストに出られませんか?」と言われたことがきっかけです。

ラスベガスに行ったことがないから、行きたいなあ、という軽い気持ちで締め切り間際に申込をしました。

3Dアートでスタッフと一緒に出場し、思いがけず3位を取る事ができ、それ以後、スタッフと共にほぼ毎年出場するようになりました。

ペイントアートが得意なスタッフ、3Dアートが得意なスタッフ、などそれぞれ個性を活かして出場し、賞を沢山いただくことが出来ています。

海外コンテストで賞を取ることで日本に戻った際の良いお土産になっているようでとても嬉しいです。

徐々にサロンにもコンテストにチャレンジしたい日本人ネイリストさんの問い合わせが増えてきて、新しく入ったスタッフも海外コンテストにチャレンジするという流れができています。

コンテストに出る事で、刺激を受け目標に向かって練習もしますし、ネイリストとしての価値が上がると思っています。

桂子さん・スタッフさんの賞歴は記事最後でご紹介しております。


▼カナダでのネイルの位置付けはどうですか?

ローカルの方はアートする人は少ないですが、ここ最近はInstagramを見てオーダー頂くことも増えました。

ただ、時間をかけての施術はあまり好まれず「一時間でどこまでの事ができるか?」が勝負です。

時間をかけすぎると「なぜ時間をかけてまでこんなことをするんだ?」と時間にシビアなので、規定時間に素早く仕上げるスキルが求められると思います。

 


▼ワーホリで来られたネイリストさんのキャリア展開は?

5年ほど前はネイリストでも就労ビザを出せたので残って働きたいというスタッフには出していました。

いまはマネージャ職の社員しか出せないので、自分でビザを取って残ったり、日本に帰って活躍しているスタッフもいて様々です。

ワーホリで来る際は、日本でネイルの技術を身に着けて出れることは強みです。

ワーホリ1日目から人に何かをすることができる、それだけでも自分の居場所がここにある、と感じるスタッフも多いです。


▼日本のネイイストさんへ

自信をもってどんどん海外に進出してほしいです。

語学の不安もあるかと思いますが、スタッフ同士の協力体制も整っており、語学力はなんとかなります!

とにかくフリートークで語学力を磨いたスタッフも多いのでまずは行動。是非お待ちしております!


松井桂子

(Keiko Matsui)

 ネイルサロンglam nail

https://www.glamnailstudio.com/

 


今までの賞歴

<桂子さん>

2016年 ネイルプロコンペティション IBS (ラスベガス・米国)ソークオフジェルアート部門 2位
2015年 ネイルプロコンペティション(パサデナ・米国)3Dアート部門2位

2012年 ネイルプロコンペティション IBS (ラスベガス・米国)3Dアート部門1位
2012年 ネイルプロコンペティションISSE(ロングビーチ・米国)3Dアート部門2位

2011年 ネイルプロコンペティションIBS(ラスベガス・米国)3Dアート部門2位

2010年 ネイルプロコンペティションIBS(ラスベガス・米国)3Dアート部門2位

2009年 ネイルプロコンペティションIBS(ラスベガス・米国)3Dアート部門3位

<glam nailスタッフ>

2016年 カナダネイルカップ ハンドジェル部門1位・3位 / ミックスメディア部門1位 / ミックスメディア一般投票1位 / ストーンアート部門1位

2015年 ネイルプロコンペティション IBS (ラスベガス・米国)フレンチスカルプ部門1位

2014年 ネイルプロコンペティション IBS (ラスベガス・米国)フレンチスカルプ部門3位

2011年 ネイルプロコンペティションISSE(シカゴ・米国)フレンチスカルプ部門1位 / ハンドペイント部門2位

2011年 ネイルプロコンペティションISSE(ロングビーチ・米国)3Dアート部門2位

2009年 ネイルプロコンペティションIBS(ラスベガス・米国)ハンドペイント部門1位 / スカルプチュア部門4位


interviewer 後記

技術にこだわり、コンテストにも常にチャレンジする、熱く真っ直ぐな桂子さんの思いがスタッフさんにも伝わり、良いチームワークに繋がっていると感じました。

今後もチャレンジする日本人ネイリストさんが桂子さんのサロンの門を叩かれると思います。

益々のサロンのご繁栄、楽しみにしております!


interviewer

久賀田有紀 
一般社団法人 海外ネイル協会 代表理事・ネイルサロンオーナー
教員在職中にネイルスクールに通い2009年ネイリストに転職。
2015年より1年間パリにてネイリストとして活動。

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